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おわりに

アルトコーヒー珈琲教室

『常識を疑え』

コーヒーと出会い、今までの10年間で学んできたことは常識を疑うことだったのかもしれません。


今の世の中は、間違っていることがさも正しいことかのように語られることがあります。良い意味でも悪い意味でも疑うことを知らなかった僕は、コーヒーことに6年間ほど悩み続けていました。

本やインターネットで勉強しても、うまくいかない…
本や雑誌などに載っているようなコーヒーの専門家、プロに聞きに行っても、
「奥が深いから」「何年も修行しないと…」とはぐらかされるばかり。

あるコーヒー店では、話には感動したもののコーヒーを飲んでみたらなんだかパッとせず、でも「有名な専門家が言うことだから、おかしいのは自分の味覚だろう…」と、自分の味覚が未熟なせいだと思っていたこともありました。

肩書きだけは老舗コーヒー店店長として仕事をしていた人間が、どれだけコーヒーのことを理解していたのかといえば、本やインターネットから得た知識を鵜呑みにし、その知識というのも実際には使い物にならない中身がスカスカの知識ばかりでした。

「コーヒーは奥が深い職人の世界、ここまでやってもわからないのか…」

コーヒーのことを調べれば調べるほどわからなくなり、コーヒーを見るのも嫌になってしまった時期もありました。そんな出口のない迷路に悩まされていたときに出会ったのが今の師匠と呼べるN氏でした。

そして、この出会いをきっかけに、僕の中でそれまでバラバラだったコーヒーの知識が一本の線で繋がり、目の前が明るくなったような感覚を受けました。

N氏に対して何がそんなに感動したのか…、それはとても単純なことで、
わらかないことは、目の前で実践して飲ませて証明してくれること。ただ、それだけのことです。

単純すぎて拍子抜けしてしまう話かもしれませんが、目の前で実験して見せてくれるか、見せてくれないかには大きな違いがあります。話だけではわからないようなコーヒーの味も、目の前のコーヒーを飲み比べてみれば、小難しい味の表現など知らなくてもどちらが好みかは誰でも選べるわけです。

そもそもコーヒーは、それぐらい簡単でわかりやすいものだったはずなんですが、いつの間にかコーヒーを学んでいくうちに頭でっかちになってしまい、本当に大切なコーヒーの味から離れてしまっていました。

コーヒーはただの飲み物です。それ以上でもそれ以下でもありません。飲み物としての美味しさがある上で、初めてこだわりなどの付加価値的な楽しみ方も生きてくるものだと思います。

でも今のコーヒーはどうでしょうか。味がわかりにくいことをいいことに、こだわりやウンチクだけが先行し、味は二の次でも許される。どこか辻褄が合わない違和感を誰もが抱きつつも、「奥が深い世界だから…」と言えばなんとなく納得せざるを得ない雰囲気さえ感じてしまいます。

こだわりが悪いとは言いません。でも、決してそれが独りよがりの押し付けになってはいけませんし、こだわりやウンチクをコーヒーの本質的な味から切り離して語られるのは間違いの元です。

味ありきのこだわりやウンチクならまだしも、味がそっちのけにされたこだわりやウンチクは、そもそもの考え方がおかしいのです。でも、残念ながらおかしいから止めてほしいと言っても、これは決して無くなるものではありません。

でも、だからこそ、自分が判断できる基準をしっかり持ち、コーヒーを飲んで見極めていくことからは離れてはいけないんです。

コーヒーの味が判断基準になってさえいれば大きく間違うことはありません。
コーヒーは飲めばわかるものなので、それを飲んでみて好きか嫌いかの好みで判断すればいいんです。まずはそれぐらい簡単なものでいいんです。

そして、良いコーヒーをいろいろ飲んでいくうちに、コーヒーには好み以上の美味しさがあることにもきっと気付いてきます。そうなってきたときには、意識しなくても自然に美味しいものが選べるようになってくるものです。


今思い返してみれば、迷って迷って迷い倒してコーヒーが嫌いになったこともあった6年間は決して無駄なものではありませんでした。この悩み苦しんできた期間があったからこそ、コーヒーというものをもう一度見つめ直すことができたような気がします。

美味しいものとの出会いは格別です。
自分好みの美味しさを見つけて、ただニンマリしているだけで、その時間は特別なものになります。そして、きっとその瞬間は心も身体も内から歓んでいると思うんです。

最高の一杯に出会えたときの歓びが、人に何を与えてくれて、その歓びがどうやって伝染していくのか。

コーヒーを通じて、人との繋がりの大切さがなんとなくわかるようになってきた気がします。だからこそ、もっと美味しいコーヒーを多くの人にも知ってもらいたいし、飲んでもらいたいと心から思うんです。

美味しいコーヒーが飲みたいなと思ったときには、ぜひ読み直してください。
美味しいコーヒーを探している友人には、ぜひ教えてあげてください。

心と身体から歓びが湧き上がるようなコーヒーを、これからもあなたと一緒に見つけていきたいと思います。
あなたにも最高の一杯が見つかりますように。


最後までお読み頂きありがとうございました。



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